ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - *
* Set up | 2008/4/1 |
* Updated | 2024/10/6 |
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ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - |
ブータン・ヒマラヤ (Bhutan Himalaya)
ブータン・ヒマラヤは、ブータンの北部地域を構成する山域である。 この山域の地図については、吉沢一郎氏作製の概念図(岩と雪26号(72-8), 巻末や小方76, 裏見返し等に収録)が日本では知られており、そこには数多くの7000m峰が記載されていた(「世界山岳地図集成 ヒマラヤ編」に収録されているブータン全図(作図: 諏訪多栄蔵)も吉沢氏の図をほぼ踏襲している(吉沢77, p52-53))。しかし、ブータン各地を調査した地質学者A. ガンサー氏の研究によると、ブータン・ヒマラヤの7000m峰は吉沢氏の地図に表記されているほど多くないという(雁部84a~d)。さらに、1980年代以降ブータンに入山した日本のいくつかの登山隊は、ブータン・ヒマラヤの山の標高が従来言われてきたものに比べて300m近く低いのではないかとも述べている(堀86、山岳年鑑94, p95、岩田他95, p74)。 このWeb Siteで用いるブータン・ヒマラヤの山名と標高については、基本的には薬師・雁部96のデータを採用し、月原氏(月原94)や雁部氏の論考(雁部84a~d)や中国側資料(史93, 史99, 中国登山協会・中国西蔵自治区登山協会95)や旧ソ連参謀本部作製の地形図(10万分の1、20万分の1)等も参考にした[追記]。 ブータン・ヒマラヤで7000m以上の山が存在するのは以下の山群である。# 印は、かつては7000m以上の山が存在するといわれた山群である。 |
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ブータン・ヒマラヤにおける登山活動は、第二次大戦前にはチベット~インド交易ルートに近いチョモラーリがチベット側から登られている(1937)が、鎖国を続けたブータンでは登山隊の入山が長い間禁止されていた。 ブータンではその後1970年代からインド・ブータン合同隊による登山活動が始まり、1983年からは外国登山隊にも解禁されたが、1987年以降は”観光公害”等を理由に国境付近の山には厳しい入山制限を設けている。 チベット側については、第二次大戦後、長い間外国登山隊の入山が不可能だったが、1980年代後半からはクーラ・カンリ山群、1990年代半ばからはチョモラーリ山群、1990年代末にはガンケル・プンズム山群がそれぞれ外国登山隊に解禁されている。2000年代に入ってからはルナナ山群の山にも登山許可が与えられるようになった。 *追記 ブータンの氷河研究を行っている小森次郎氏は、人工衛星による地形測量の成果(SRTM: Shuttle Radar Topography Mission)を利用してブータン・ヒマラヤの主要な山の標高(暫定値)を算出している(Komori2011)。 *2024.10追記 ブータン・ヒマラヤの山については、ドイツのGünter Seyfferth(独)がWeb Site "Die Berge des Himalaya" [URL: https://www.himalaya-info.org/index.htm ]の中でブータン、チベット両側から撮影された多くの写真を使って詳細なピーク同定を行っている。 |
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Mountains of Bhutan Himalaya | |||
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GK: Garula Kang (6500m) | |||
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* | 1 | : Kula Kangri Group | |
KK: | Kula Kangri (7538m) | ||
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2 | : Ganker Punzum Group | ||
GP: | Ganker Punzum (7570m) | ||
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3 | : Lunana Group | ||
JP: | Jejekangphu Kang (c7100m) | ||
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4 | : Masa Kang Group | ||
MK: | Masa Kang (c6800m) | ||
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5 | : Kancheta Group | ||
KC: | Kancheta (6675m) | ||
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6 | : Chomolhari Group | ||
CL: | Chomolhari (7326m) | ||
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○概念図 (Maps)
・中村2016, p98-101・・・ルナナ山群、ガンケル・プンズム山群、クーラ・カンリ山群の地図(ほぼ同じ図が中村2019, p84-85、中村2021, p32にあり)
・中村2021, p33
・京都大学山岳部報告 第17号(1994), p17折り込み地図
・中国登山協会・中国西蔵自治区登山協会95, p182・・・クーラ・カンリ山群、ガンケルプンズム山群、ルナナ山群東部の地形図 (1: 250000)
・岳人460号(85-10), p56, p91
・Kielkowski 2005, p96-97
・深田83(5), p53
・SSAF79m・・・ブータン・ヒマラヤの水系図。国境線がなく、地名や山名表示が少ないが、ブータン・ヒマラヤの高峰の位置がわかる
・B & B96m・・・ブータンの道路地図。主要ピークの位置と標高が記載されている
・喜馬拉雅山冰川資源図99m・・・ピークの表示は少ないが、ブータン・ヒマラヤの氷河の分布がわかり、主要な稜線も記されている
・TPC-1/50-H-10A-80m, H-10D-84m
・AJ Vol. 102 (1997), p224
・AJ Vol. 90 (1985), p13
・Jordans2018, p8-9
・Bhutan2006m・・・ルナナ山群に表記されたピーク名には誤記(?)がみられるが、等高線表示が入った詳細なブータン全図
・Günter Seyfferth(独)のWeb Site "Die Berge des Himalaya" [URL: https://www.himalaya-info.org/index.htm ] 内のGrenzregion Bhutan-Nord/China [ https://www.himalaya-info.org/Map%20bhutan_nord.htm ]及びGrenzregion Bhutan-West/China [ https://www.himalaya-info.org/Map%20bhutan_west.htm ] [2024.10 閲覧]
○参考文献 (References)
・月原94・・・過去に出版された地図や写真等からブータン・ヒマラヤの山と標高について考察している
・薬師・雁部96, p78
・中国登山協会・中国西蔵自治区登山協会95
・Marshall2005・・・18世紀後半から20世紀半ばにかけてのヒマラヤ周辺地域(チベット、ネパール、シッキム、ブータンなど)とイギリスとの関係についての文献目録
・雁部84a, b, c, d・・・A. ガンサーによるブータン・ヒマラヤの研究(主にGansser83)を紹介している
・岳人460号(85-10)・・・ブータン・ヒマラヤの特集。p62-63にはブータン・ヒマラヤ高峰の写真を掲載
・山と仲間84-12・・・p8-11にはルナナ山群及びその周辺の高峰の写真が掲載されている
・地理 Vol. 38, No. 10 (93-10)・・・ブータン王国の特集号
・山本91・・・巻末に日本で刊行されたブータン関係の文献がリストアップされている(中にはブータンとは直接関係のないヒマラヤ関係の文献も混じっているような気もするが・・・)
・吉永99・・・ブータンと中国が主張する国境線の違いを解説
・斎藤99・・・ガンケル・プンズムからクーラ・カンリを結ぶ中国・ブータン国境線についての解説
・Kohli85
・Ward85
・Ward97・・・ブータン・ヒマラヤの探検・登山史
・Komori2011
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*****|----->>> ガンケル・プンズム山群 Ganker Punzum Group
*****|----->>> ルナナ山群 Lunana Group
*****|----->>> # マサ・カン山群 # Masa Kang Group
*****|----->>> # カンチェタ山群 # Kancheta Group
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*****|----->>> チョモラーリ山群 Chomolhari Group
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