ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - *

* Set up 2008/4/1
* Updated 2024/1/1

ヒマラヤ - 7000m以上の山々 -

ヒンドゥ・クシュ (Hindu Kush)


 ヒンドゥ・クシュ*1は、カラコルム西端のチリンジ峠付近(東経74゜04' 北緯35゜48')*2からアフガニスタン国内の東経67゜付近にわたる山脈である。この山脈は通常、大きく3つ(東部、中部、西部)に分けられ、7000m以上の高峰は東部ヒンドゥ・クシュだけに存在する。
 東部ヒンドゥ・クシュは、カラコルム西端 (チリンジ峠付近) からチトラルの北西約50kmに位置するドラー峠 (東経 71゜28' 北緯 36゜10' ) にわたる山域である。この山域で7000m以上の山が存在するのは下記の山群である(# 印はかつては7000m以上の山が存在するといわれた山群である)。
 
  [2010/1 追記] その後の調査で、広義のヒンドゥ・クシュに属するヒンドゥ・ラジ(ガムバール・ゾム山群)にも、かつては7000m級のピーク表示のある地図をみつけたので追加した。詳しくはガムバール・ゾム山群を参照のこと。


ヒマラヤ Himalaya
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ヒンドゥ・クシュ Hindu Kush
***|----->> 東部ヒンドゥ・クシュ Eastern Hindu Kush
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*****|----->>> # ルンコー山群  # Lunkho Group
*****|----->>> ウルゲント山群 Urghent Group
*****|----->>> サラグラール山群 Saraghrar Group
*****|----->>> ウドレン・ゾム山群 Udren Zom Group
*****|----->>> ノシャック山群 Noshaq Group
*****|----->>> イストル・オ・ナール山群 Istor-o-Nal Group
*****|----->>> ティリチ・ミール山群 Tirich Mir Group
  ***|----->> # ヒンドゥ・ラジ # Hindu Raj 
    *****|----->>> # ガムバール・ゾム山群 # Ghambar Zom Group 

 ヒンドゥ・クシュの登山活動は第二次世界大戦後から本格的に始まった。
 特に1960年代から1970年代前半にかけては、パキスタン及びアフガニスタン側から多くの登山隊が入山し、7000m級の主要な未踏峰はほぼ登られた。その後は1970年代末から始まったソビエト軍のアフガニスタン侵攻の影響で1980年代は登山隊の入山がほとんど不可能となった。ソビエト軍は1989年にアフガニスタンから撤退したが、その後も内戦〜タリバン支配(1996-2001)〜アメリカ同時多発テロ後のアメリカの侵攻(2001)等で現在も政情不安定な状態が続いている。パキスタン領内では1990年代以降登山隊の入山が多少行われているが、アフガニスタン・パキスタン国境付近の政情不安の影響を受けることも多く、かつての隆盛はない (2007年現在)。
 [2009.4 追記] その後、アフガニスタン側からアプローチ可能な東部ヒンドゥ・クシュの高峰について登山ガイド 「Peaks of Silver and Jade」(Pinelli & Predan2007) が出版されたことからも、登山活動復興への動きは徐々に始まっているようだ。





Mountains of Hindu Kush

* A : Western Hindu Kush
SF: Shah Fuladi (5143m)

B : Central Hindu Kush
KB: Kohe Bandaka (6843m)
KM: Koh-i-Morusg (6435m)

C : Eastern Hindu Kush
[1] Lunkho Group
[2] Urghent Group
[3] Saraghrar Group
[4] Udren Zom Group
[5] Noshaq Group
[6] Istor-o-Nal Group
[7] Tirich Mir Group

D : Hindu Raj
    [8] Ghambar Zom Group
KZ: Koyo Zom (6872m)

E : Selsera-Koh-i-Wakhan
KP: Koh-i-Belandtarin (6286m)
(Koh-i-Pamir)

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概念図 (Maps)
・Wala & Yoshizawa74m・・・ヒンドゥ・クシュ全体が1枚に収まった概念図
・白籏90, 折込地図・・・宮森常雄氏作成のカラコルムとヒンドゥ・クシュの概念図
・宮森2001m・・・著者の多年にわたる調査研究から作成されたカラコルムとヒンドゥ・クシュの地図
・Yoshizawa68m・・・ヒンドゥ・クシュ全体の概念図
・宮森73m・・・東部ヒンドゥ・クシュの7000m峰のすべてが1枚に収まった概念図
・USSR-1/100-J-42-81m, J-43-90m
・Pinelli & Predan 2007, 巻末地図・・・東部ヒンドゥ・クシュ(アフガニスタン側)の概念図
・吉沢78, p32・・・J. Walaが提唱するヒンドゥ・クシュの山域区分図(このWeb Siteの区分とは若干異なる)
・AJ Vol. 71-Nov, p203左
・Wala71m・・・東部ヒンドゥ・クシュ (ノシャックコー・イ・テーズ) の概念図
・Manzoom2004m2
・TPC-1/50-G-6B-81m, G-6C-92m
・Wala73m・・・ヒンドゥ・クシュ全体の概念図(山名表示は少ない)

参考文献 (References)
・薬師・雁部96, p561, p544, p552-553
・宮森・雁部2001
・Pinelli & Predan 2007・・・アフガニスタン側からアプローチ可能な東部ヒンドゥ・クシュの主要な山について、多くのカラー写真・図版をもとに解説されたガイドブック
・吉沢78, p31-36, p251・・・ヒンドゥ・クシュの区分に関する解説
・SGIM2005・・・ヒンドゥ・クシュの山岳地図の目録。各地図がヒンドゥ・クシュのどの部分をカバーしているか視覚的に表現している
・高木80・・・馬場勝嘉氏と高木泰夫氏が作成したカラコルム及びヒンドゥ・クシュの登山探検のクロニクルを収録
・雁部2009・・・ヒンドゥ・クシュの登山探検の歴史を解説
・吉沢68・・・ヒンドゥ・クシュの登山史
・吉沢84, p454-455
・Kielkowski 2005, p295-302
・Wala2008・・・ヒンドゥ・クシュ各山域の山の写真・地図を集めた資料集

註 (Notes)
*1: このWeb Siteでは 「ヒンドゥ・クシュ」 を狭義の意味で用いているが、広義には(狭義の)ヒンドゥ・クシュの他にヒンドゥ・ラジ(時にはワハン山脈(セルセラ・コー・イ・ワハン)ともいう)が含まれる。
**
*2: ヒンドゥ・クシュの東側の境界については、チリンジ峠のかわりにバロギール峠 (東経73゜21' 北緯36゜53') とする場合もある(吉沢78, p251)。

ヒマラヤ Himalaya
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|-----> カラコルム Karakorum
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|-----> ヒンドゥ・クシュ Hindu Kush ***
| **********|----->> 東部ヒンドゥ・クシュ Eastern Hindu Kush ***
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*****|----->>> # ルンコー山群  # Lunkho Group
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|----->>> ウルゲント山群 Urghent Group
*****|----->>> サラグラール山群 Saraghrar Group
*****|----->>> ウドレン・ゾム山群 Udren Zom Group
*****|----->>> ノシャック山群 Noshaq Group
*****|----->>> イストル・オ・ナール山群 Istor-o-Nal Group
*****|----->>> ティリチ・ミール山群 Tirich Mir Group
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|-----> 崑崙山脈 Kunlun Mountains
|-----> パミール Pamirs
|-----> 天山山脈 Tien Shan Mountains

List of 7000m & 8000m Peaks in the Himalaya
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(Hindu Kush)


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