ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - *

* Set up 2008/4/1
* Updated 2024/2/1

ヒマラヤ - 7000m以上の山々 -

ヒマラヤ (Himalaya)



 現在、「ヒマラヤ」という言葉が示す範囲には、狭義・広義の2種類がある。
 狭義の範囲は「東のブラマプートラ川の大屈曲点から西のインダス川まで、東西約2400km、南北の幅は200~300kmに及ぶ」山脈(吉沢84, p448)であり、広義には、(狭義の)ヒマラヤ山脈の他にカラコルムヒンドゥ・クシュ横断山脈青蔵高原崑崙山脈パミール天山山脈等を含むアジアの広い地域である。
 このWeb Siteでは、前者(狭義の範囲)を「ヒマラヤ山脈」、後者(広義の範囲)を「ヒマラヤ」と区別して呼んでいる(狭義のヒマラヤに対しては(Lesser Himalayaに対応する意味で)「大ヒマラヤ(Great Himalaya)」という用語もあるが、このWeb Site内で使うと、広義のヒマラヤに比べて狭い範囲であるのに"大"の名がつくのでこの名称は使用していない)。
 ヒマラヤで7000m以上の山が存在するのは次の8地域であり、現在の地球上ではこれらの地域の他には7000m以上の山は存在していない。
 

ヒマラヤ Himalaya
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|-----> ヒマラヤ山脈 Himalaya Mountain
|-----> カラコルム Karakorum

|-----> ヒンドゥ・クシュ Hindu Kush
|-----> 横断山脈 Hengduan Mountains
|-----> 青蔵高原 Qingzang Plateau
|-----> 崑崙山脈 Kunlun Mountains

|-----> パミール Pamirs
|-----> 天山山脈 Tien Shan Mountains
*2010. 1 追記




ヒマラヤ (Himalaya) を構成する山脈・山域

A : ヒマラヤ山脈 Himalaya Mountain
B : カラコルム Karakorum
C : ヒンドゥ・クシュ Hindu Kush
D : 横断山脈 Hengduan Mountains
E : 青蔵高原 Qingzang Plateau
F : 崑崙山脈 Kunlun Mountains
G : パミール Pamirs
H : 天山山脈 Tien Shan Mountains

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○ヒマラヤ全体の概念図 (Maps)
・Bartholomew92m・・・ ヒマラヤで7000m以上の山が存在する地域が1枚に収まり、全体を一望するのに便利。中国領内の山についても1980年代以降のデータが反映されている。この地図に対する山森欣一氏のコメントが日本ヒマラヤ協会94, p90にある。
・中国冰雪凍土図88m・・・ 中国国内の氷河や凍土の分布図であるが、天山山脈崑崙山脈を構成する小山脈の連なりがよくわかる。
・中国山峰一覧図89m・・・ 中国国内の代表的な山が表示された概念図
・施2000, p8-9間・・・ 中国西部及びヒマラヤ地区の氷河と積雪量の分布図
・GRSI 36m・・・ 19世紀半ばから20世紀始めにかけてヒマラヤ、チベット、中央アジアを探検した個々の隊の踏査ルートを一覧表示した地図。この地図の解説がHJ Vol. 8, p144-146にある。
・深田69・・・ 巻末に収録された「中央アジア高山図」(作図: 諏訪多栄蔵)は略図であるが全体を一望できる。編者にとっては思い出深い図。
・岩田他95, p37
USSR-1/100, 1/50, 1/20, 1/10, 1/5・・・ 旧ソビエト参謀本部が作製した地形図。現在では機密が解除され一般的に利用可能になった。ヒマラヤ地域については多くが1970~80年代に作製されたため地形図としては非常に正確である(山の標高については地域によって精度が大きく異なり、信頼性は高くない)。表記はロシア語。地図記号については、英訳された凡例集がある (TM 30-548 (1958))。最近ではカラー図版を多用した英文ガイド (East View Cartographic 2005) やアフガニスタン地域について、20万分の1地形図の解説情報の英訳版が出版されている (East View Cartographic 2003)。 
中国-1/100万地形図・・・ 中国の国家測絵局が1997年に作製した中国国内の地形図。山の表示はそれほど多くないが、山脈や河川、湖沼等がバランスよく表現された多色刷りの美しい地図(表記は中国語)。
TPC-1/50, JOG-1501-1/25・・・ アメリカ国防総省が作製した航空地形図。旧ソ連地形図に比べると地形情報は少ないが、地形表現は比較的正確(山の標高については、信頼性は高くない)。
・中国地図出版社2001, p1-2


○ヒマラヤの山が多数収録された写真集 (Photobooks)
・白川2001(1), 2001(2), 2002・・・ 世界の著名な登山家によって選定された世界百名山を撮影した壮大な写真集。独自の角度からの航空写真が多数収録されていて有用。サイズを多少小さくした愛蔵版(白川2007)やコンパクトサイズの展示会用図録(白川2000)もある。
・藤田2006・・・ ヒマラヤの7000m級の山の写真集
・日本ヒマラヤ協会2007b・・・ 日本ヒマラヤ協会の機関誌「ヒマラヤ」の表紙目録。個々の写真サイズは小さいが、登山隊が撮影した山の写真が多数収録されている。
・中国登山協会・中国西蔵自治区登山協会95・・・ 中国領内の山(ヒマラヤ山脈カラコルム青蔵高原の一部(カンティセ山脈ニンチンタングラ山脈))が収録された写真集。原文は中国語だが英文も併記されている。 付録の地図は有用。(この本の紹介がヒマラヤ No. 290 (96-1) [または日本ヒマラヤ協会96, p97]にあり)
・深田66・・・ 深田久弥「ヒマラヤの高峰」(雪華社版)の別巻写真集(モノクロ)
・三田64・・・ 深田66と同じくモノクロ主体の写真集
・山と渓谷社75・・・ 世界の山の写真集であるが、ヒマラヤの高峰も多数収録されている。
・朝日新聞社78・・・ 深田久弥 「ヒマラヤの高峰」(朝日新聞社版)で紹介された山の写真集。カラー写真を主体にしているが、貴重なモノクロ写真も収録されている。
・藤田96a・・・ アッサム・ヒマラヤからネパール・ヒマラヤまでの山の写真を収録した CD-ROM (Photo-CD形式)
・藤田96b・・・ ナンガ・パルバットカラコルムヒンドゥ・クシュの山の写真を収録した CD-ROM (Photo-CD形式)
・五百沢2007・・・ ヒマラヤ全体の鳥瞰イラストや展望図を収録
・Kowalewski & Paczkowski86・・・ ポーランド隊によるカラコルムの高峰登山の記録写真集。モノクロ写真が中心だが登山中に撮影された貴重な写真が多数収録されている。
・Kowalewski & Paczkowski89・・・ ポーランド隊によるヒマラヤ山脈の高峰登山の記録写真集。登山中に撮影された貴重な写真が多数収録されている。
・中村2019・・・ カラコルム横断山脈にわたる地域の山々の空撮写真集。チベット側から撮影された貴重な空撮写真が多数収録されている。


○ヒマラヤの高峰を紹介する文献 (References)
・薬師・雁部96・・・ パミール崑崙山脈天山山脈等はカバーしていないが、ヒマラヤの主要な名峰を紹介した辞典。藤田弘基氏撮影による鮮明なモノクロ写真が多数収録され非常に有用。
・Neate89・・・ チベットの山については1980年代以降の新しいデータが反映され、貴重な写真や略図を掲載してヒマラヤの7000m峰すべての解説を行っている。誤植や山群の区分などでは異論があるが編者の構想と共通する点が多く、このWeb Siteを作成する上で非常に参考(・・・というより、編者が早期にこの本を見つけていたら、このWeb Siteの構築は続けなかっただろう!)となった(この本の書評が「山岳 第86年」(1991), p193-194 (評者: 永田秀樹)及び岩と雪 144号 (91-2), p97 (評者不明) にあり)。
・山森2009・・・ ヒマラヤの7000m峰に挑んだ日本隊の登山記録の集成。日本の山岳雑誌が掲載しなくなった1990年代後半以降の登山記録を整理・収録しているのは貴重。モノクロであるが個々の山の写真を掲載しているのも便利。
・日本山岳会百年史編纂委員会・馬場・渡部2007, 2008・・・ ヒマラヤに挑んだ日本隊の登山記録の集成。日本の山岳雑誌が掲載しなくなった1990年代後半以降の登山記録を整理・収録しているのは貴重。
・Kielkowski98b・・・ ヒマラヤの7000m以上のすべての山(衛星峰や岩塔のような小ピークも含めて)詳細にリストアップした小冊子(ポーランド語)
・Kielkowski2005・・・ 著者による世界の山岳事典シリーズのアジア篇。この巻ではヒマラヤの主要な高峰について多くの写真、地図とともに解説(ポーランド語)
・Kurczab2008(1)-(6)・・・ ポーランドのヒマラヤ登山記録集成(6巻+DVD)。ポーランド隊撮影の美しい写真を多数収録(ポーランド語)
・吉沢77・・・ ブータン・ヒマラヤからパンジャブ・ヒマラヤ(ナンガ・パルバットを除く)までのヒマラヤ山脈の各地域の地図及び解説を収録
・吉沢78・・・ 吉沢77の姉妹編。カラコルムヒンドゥ・クシュナンガ・パルバット天山山脈パミールの地図と解説を収録。カラコルムの地図については若干の訂正が必要であることが指摘されている(児玉91)。その後、カラコルムヒンドゥ・クシュについては、宮森氏による改訂版(宮森2001m)が刊行されている。
・吉沢84・・・ 世界各地の山の情報が収録されたコンパクトな事典。有名無名のヒマラヤの山の記述が多くて便利
・Zurick & Pacheco2006・・・ ヒマラヤ山脈とその周辺地域について自然、社会、探検・登山等の概要を多くの図版を使って紹介
・施2004・・・ 中国における氷河学の第一人者による研究回顧。第二次大戦後、中国が実施したヒマラヤの氷河調査の動向を知ることができる。 
・旅行人98・・・ チベット文化圏(中国・インド・ネパール・ブータン)の旅行ガイドであるが、この地域についての多くの新情報が盛り込まれている。
・深田久弥 「ヒマラヤの高峰」・・・ 深田久弥氏によるヒマラヤの名峰紹介
**※白水社版 (1973) ・・・深田氏が雑誌「岳人」に掲載した約140の山が収録され、70年代始めまでのデータが増補された決定版。
**※白水社版 (1983) ・・・73年版から著名な山を抜粋し、73年版以降の登山史が増補されている。
*****「ヒマラヤの高峰」には上記の版の他に、雪華社版や朝日新聞社版(深田久彌 山の文学全集)等があるが、白水社版が図版や註が多く資料として有用
・薬師94, 薬師95, 薬師2011・・・ 海外及び国内で発行されたヒマラヤ及び中央アジア関係の図書目録。
決定版は1990年代に出版された増訂第3版(薬師94)と薬師95(<-薬師94の追加・訂正分をまとめた200頁弱の冊子)。1970年以前の書籍に限って調べるなら、初版(薬師72)や増訂第2版(薬師84)でも役に立つ。
*その後、薬師氏は大改訂を行った第4版(薬師2011)を刊行している。[2024. 2 追記]
・Yakushi60・・・ 薬師義美氏が Geographical Journalの Vol. 1 (1893) - Vol. 125 (1959)の中からヒマラヤ及び中央アジア関係の文献だけを抜き出した目録(50ページほどの冊子であるが、Web上のJSTOR [ http://www.jstor.org/ ] から多くの論文を比較的容易に購入できるようになった現在[2010.1]でも文献探索・入手に使える強力なツール)
[1831年から1892年にかけての誌名の変遷については、Middleton78の解説が参考になる(2010. 2 追記)]
・国立国会図書館76・・・ 深田久弥氏が蒐集し、氏の没後国立国会図書館に収蔵されたヒマラヤ及び中央アジア関係の洋書目録
・川喜田77・・・ ヒマラヤの文化、歴史等がコンパクトにまとめられた小事典
・水野86・・・ 欧米で出版された代表的なヒマラヤ探検・登山に関する書籍について詳しく解説されている。
・稲田71・・・ ヒマラヤの地図についての解説
・神原59・・・ インド測量局の地図を中心にしたヒマラヤの地図についての解説
・Burrard07・・・ インド測量局が蓄積した20世紀初頭時点の情報をもとにまとめられたヒマラヤの地理(高峰、山脈、河川等)に関する古典的概説書。
かつては古書価が高かったが、現在(2010. 3)では安価なオンデマンド版が入手可能となっている。
1933年には情報を更新した改訂版が発行されている。
・メイスン75・・・ ヒマラヤ山脈カラコルムの探検・登山の歴史が記述されている。本文中に記載された豊富な地理情報は、収録された図版だけでは十分理解しきれないので、関心のある箇所については、引用文献のGJ (Geographical Journal) やHJ (Himalayan Journal)等を入手して併読するのがよい。
・Sale2009・・・ 19世紀にヒマラヤ地域の測量活動を行った主要なPunditの業績を紹介。彼らが作成した地図等、多数の図版資料が添付されている(この本の書評が「山岳 第105年」(2010), p258-262 (評者: 南井英弘) にあり)。
・中村2016・・・ ブータン・ヒマラヤ北辺からアッサム・ヒマラヤ横断山脈青蔵高原(東部)、崑崙山脈(東部)の各地域の地図及び解説が収録されている。
・日本山岳会東海支部2015・・・ インド領域内のヒマラヤ及びその周辺の山々を詳しく解説している。改訂・増補版(日本山岳会東海支部2021)や英訳版(Tokai Section of The JAC 2022)もある。
・池田2015・・・ ヒマラヤの8000m峰の登攀史。深田69の続編として読むことができる。
・山森2012・・・ 日本のヒマラヤ登山に関する詳細な人名リスト。
・山森2018・・・ 日本のヒマラヤ登山の通史。ヒマラヤ登山の世界的な動向にも触れ、エピソードも豊富に盛り込まれている。
・木暮1951・・・ Burrard07等の文献をもとにしたヒマラヤの山岳に関する概説。日本のヒマラヤ研究の嚆矢といえる論考。
・パーカー2015・・・ 多くの図版を使ってヒマラヤの探検・登山の歴史を解説している。スティーヴン・ヴェナブルズやダグ・スコット等が執筆していることもあり登攀に関する記述は詳しい。

○Web Site
・"Die Berge des Himalay" [ URL: https://www.himalaya-info.org/ ]・・・ Günter Seyfferth(独)がヒマラヤの主要な山群を多くの写真からピーク同定を行っている。(ドイツ語)
・"PAHAR - Mountains of Central Asia Digital Dataset (MCADD)" [ URL: http://pahar.in/ ]・・・ ヒマラヤ・中央アジアに関するの多くの文献・地図を公開している。メンテナンスのためなのか月末等にはアクセスできないこともある。 [2023.11 現在]
・"日本山岳会"[ URL: https://jac1.or.jp/ ]・・・ 日本山岳会の機関誌「山岳」や会報「山」のバックナンバーが公開されている。[2023.11 現在]
・"日本ヒマラヤ協会"[ URL: http://haj1967.jp/ ]・・・ 日本ヒマラヤ協会の機関誌「ヒマラヤ」のバックナンバーが一部公開されている。[2023.11 現在]
・"Asian alpine e-news"[ URL: https://asian-alpine-e-news.com/ ]・・・ Asian Alpine Associates (主催:中村保 ) がヒマラヤを中心としたアジアの山岳について情報発信している。[2023.11 現在]
・"The Himalayan Journal"[ URL: https://www.himalayanclub.org/hj/ ]・・・ インドのヒマラヤン・クラブ(The Himalayan Club)の機関誌「The Himalayan Journal」のバックナンバーが公開されている。[2023.11 現在]
・"The Alpine Journal"[ URL: https://www.alpinejournal.org.uk/ ]・・・ 英国山岳会(The Alpine Club)の機関誌「The Alpine Journal」のバックナンバーが公開されている。[2023.11 現在]

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List of 7000m & 8000m Peaks in the Himalaya
Copyright by Y. YAMAUTI (2024)

(Himalaya)


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