ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - *

* Set up 2008/4/1
* Updated 2023/11/19
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ヒマラヤ - 7000m以上の山々 -

青蔵高原 (Qingzang Plateau)



 青蔵高原とは中国海省と西(チベット)自治区にまたがる高原(青海チベット高原)の略称である。青蔵高原内にはいくつかの山脈があり、19世紀末から20世紀始めにかけてこの高原を探った探検家たちの報告等から、かつては7000m級の高峰がいくつか存在するといわれていた。しかし、1970年代後半以降中国や諸外国による調査が進んだ結果、その多くが7000m未満であることが判明した。
 青蔵高原で7000m以上の山が存在するのは以下の山域である(# 印はかつて7000m以上の山が存在するといわれた山域である)。

ヒマラヤ Himalaya
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青蔵高原 Qingzang Plateau
**********|----->># 青南高原  # Qingnan Plateau*1
**********|----->># タングラ山脈  # Tanggula Mountains
**********|----->> ニンチンタングラ山脈 Nyainqentanglha Mountains
**********|----->> 拉軌崗日山脈 Lhagoi Kangri Mountains
**********|----->> カンティセ山脈 Gangdise Mountains
**********|----->># 蔵北高原  # Zanbei Plateau*2

 青蔵高原は長い間政治的・地理的に入山が困難であり、登山よりも"探検"の対象とされてきた。この山域で本格的な登山活動が始まるのは中国領内の山が外国登山隊に"解禁"されるようになった1980年代以降のことである*3。現在までにアプローチの比較的容易な山がいくつか登られているが、青南高原蔵北高原の6000m級の山の多くは地図で標高が知られているだけで未踏のまま残されている(1995年現在)。

*追記:2000年以降になると、ヨーロッパを中心とする登山隊によって青蔵高原の未踏峰が登られるようになっている。
 さらに、青海省からタングラ峠を越えてラサを結ぶ青蔵鉄道の開通(2006)によって観光地化される地域が出てくるかもしれないが、中国政府のチベット政策に対する不安定要素(2008年3月に起きたラサ暴動など)も残されている。(2008年3月現在)
 その後、2014年にはラサとシガツェを結ぶ鉄道(拉日鉄道)、2021年にはラサと林芝市を結ぶ鉄道(拉林鉄道)が開通し、さらに建設が計画されているという。中国西域やチベットを通る鉄道については渡辺2022による解説がある。 [2023年11月19日追記]





Mountains of Qingzang Plateau

* A : Qingnan Plateau (青南高原)
    QJ: Qiajajima I [曲阿加吉瑪峰] (5930m)

B : Tanggula Mountains (唐古拉山脈)
    BG: Bu'gyai Kangri [布加崗日] (6328m)
GT: Geladaindong [各拉丹冬] (6621m)
PK: Purog Kangri [普若崗日] (6482m)

C : Nyainqentanglha Mountains (念青唐古拉山脈)
SP: Sepu Kangri [色浦崗日] (6956m)
    NN: Nenang (6870m)
    LQ: Unnamed Peak on the north of Laqin La (6066m)
    SK: Samdain Kangsang [桑丹康桑峰] (6590m)
NT: Nyainqentanglha I [念青唐古拉峰] (7162m)
CK: Qungmoganze [窮母崗日] (7048m)

D : Lhagoi Kangri Mountains (拉軌崗日山脈)
NK: Ningqin Kangsha [寧金抗沙] (7206m)
RG: Lhagoi Kangri [拉軌崗日] (6457m)

E : Gangdise Mountains (崗底斯山脈)
    RM: Lungmar Ri [隆瑪日] (6132m)
RK: Loinbo Kangri [冷布崗日] (7095m)
KL: Kailas (Kangrinboqe) [岡仁波齊峰] (6638m)

F : Zanbei Plateau (蔵北高原)
MK: Mayer Kangri [瑪依崗日] (6266m)
ZK: Zangser Kangri [蔵色崗日] (6460m)
    PKG: Purog Kangri [布若崗日] (6436m)
SY: Shahkangshan [夏康堅峰] (6822m)
KB: Kuanbokang (LUNGGAR SHAN) [隆格尓山] (6610 or 6436m)
AK: Aling Kangri [昂龍崗日] (6598m)

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概念図 (Maps)
・青蔵高原山峰図89m
・Bartholomew92m
・Gecko Maps2005m
・Reise-Know-How2006m
・Gizi Map2005m
・西蔵自治区地図95m・・・美しい多色刷りの地図。崑崙山脈の山等には旧来の標高がみられるが、地名、山名が詳しく記入され、青蔵高原を全体的に見るには大変有用な図(ほぼ同じ図が中華人民共和国地図集84m, 61に収録)
・西蔵自治区交通図90m
・西蔵自治區測繪局95m
・青蔵高原自然景観図90m・・・青蔵高原及び崑崙山脈の地形を1枚で見渡せる多色刷の地図
・施2005, p90・・・青蔵高原の水系及び氷河分布図
・Nepa Maps 2001m2
・TPC-1/50-G-7C-94m
・中国地図出版社2001, p45-46
・青蔵高原地図79m


参考文献 (References)
・史93
・日本ヒマラヤ協会94
・中国地図出版社97
・施2005, p89-100
・上越山岳協会・中国人民体育出版社81
・旅行人98
・佐藤・猪俣89
・渡辺82
・吉沢84
・松本・松原87
・Ward91/92
・ブースマン83・・・青蔵高原の山についての論考。著者は中国側文献を入手できなかったため、標高はONC(アメリカ国防省陸地測量部が発行する航空目的のために作成された地図)の値を用いている。この論考の訳者である水野勉氏が著者に出したコメントに対する回答が水野85に収録されている
・Marshall2005・・・18世紀後半から20世紀半ばにかけてのヒマラヤ周辺地域(チベットネパールシッキムブータンなど)とイギリスとの関係についての文献目録

註 (Notes)
*1: 青南高原の範囲については、「ツァイダム盆地と青海南山以南に位置し、ククシリ山系、バヤンカラ山系、積石山系(アムネマチン山脈)等から成る」(佐藤・猪俣89, p7)とされるが、このWeb Siteでは崑崙山脈と区別するため便宜的に青蔵高原山峰図89mが示す範囲(バヤンカラ山脈とタングラ山脈の間)としている。
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*2: 蔵北高原の範囲については、このWeb Siteでは佐藤・猪俣89, p7の記述にもとづき、北の崑崙山脈タングラ山脈と南のカンティセ山脈ニンチンタングラ山脈の間としている。
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*3: 1980年代以前に青蔵高原に入った登山隊としては、1959年2月にニンチンタングラ山脈のニンチンタングラ北東峰(6177m)に登頂した中国隊の記録が知られている(上越山岳協会・中国人民体育出版社81, p97、渡辺82)。

ヒマラヤ Himalaya
** |-----> ヒマラヤ山脈 Himalaya Mountain
|-----> カラコルム Karakorum
|-----> ヒンドゥ・クシュ Hindu Kush
|-----> 横断山脈 Hengduan Mountains
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|-----> 青蔵高原 Qingzang Plateau ***
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# 青南高原  # Qingnan Plateau
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# タングラ山脈  # Tanggula Mountains
| **********|----->> ニンチンタングラ山脈 Nyainqentanglha Mountains
| **********|----->> 拉軌崗日山脈 Lhagoi Kangri Mountains
| **********|----->> カンティセ山脈 Gangdise Mountains
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# 蔵北高原  # Zanbei Plateau
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|-----> 崑崙山脈 Kunlun Mountains
|-----> パミール Pamirs
|-----> 天山山脈 Tien Shan Mountains

List of 7000m & 8000m Peaks in the Himalaya
Copyright by Y. YAMAUTI (2024)

(Qingzang Plateau)


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