新潮文庫 夏のキャンペーン広告
新潮文庫ベスト100
新潮文庫の100冊
*** コメント (2005)***



新潮文庫の100冊
(2005年)
*
○配列
・名作(ランダム)
・現代文学(ランダム)
・海外文学(ランダム)
・エッセイ・ノンフィクション(ランダム)

★新規採用作家
伊坂幸太郎
いしいしんじ
小川洋子
梶尾真治
鈴木清剛
田口ランディ
畠中 恵
松久淳+田中渉
ジュンパ・ラヒリ

●復活した作家
阿部和重(2000年以来5年ぶり)
伊藤左千夫(1995年以来10年ぶり)
大江健三郎(2001年以来4年ぶり)
開高健(1992年以来13年ぶり)
角田光代(2003年以来2年ぶり)
河合隼雄(2001年以来4年ぶり)
志賀直哉(1996年以来9年ぶり)
城山三郎(1992年以来13年ぶり)
高村光太郎(2002年以来3年ぶり)
筒井康隆(1999年以来6年ぶり)
壷井 栄(1998年以来7年ぶり)
樋口一葉(1988年以来17年ぶり)
山本周五郎(2001年以来4年ぶり)
渡辺淳一(1991年以来14年ぶり)
ゲーテ(2003年以来2年ぶり)
ゴールディング(2003年以来2年ぶり)
サガン(1997年以来8年ぶり)
エミリー・ブロンテ(2003年以来2年ぶり)

▼交代した作家(#は10年以上継続して採用されてきた作家)
阿刀田高 他
黒柳徹子
坂口安吾
武者小路実篤
柳美里
与謝野晶子
連城三紀彦
ウィーダ

○コメント
今年の100冊のパンフレットは、例年通りYondaくんのキャラクターと黄色と黒の2色デザイン(ページを進めてゆくと最後にオチがあります)ですが、中を見てゆくと、次の2点が昨年とは異なっています。
  • (多少の例外はあるが・・・)基本的には「1作家 = 1冊」の方針にしている。
    • 「古典」の区分に入る作家(芥川龍之介遠藤周作川端康成太宰治夏目漱石三島由紀夫など)についても約20年ぶりにこの方針を適用しています。そのかわりなのか、パンフレットの中に紙質を別にした形で「新潮文庫の100人」を入れこんでいます。これには採用された100人の作家の略歴や作品などを記し、一見すると小辞典のようにもみえますが、コメントは軽い内容になっています。「新潮文庫の100冊」の出発点である「1作家=1冊」に戻ろうとしているのは、複数作家を採用する意味が薄れた(作家の名前がわかれば、その作家の他の作品はWebで簡単にわかるようになった)ことや1人の作家の作品を何作も採用してきたことへの読者からの批判(,<- いくつかのWebなどでみられる)を反映したのかもしれません。
  • 90年代に交代した作家の復活
    • 「1作家 = 1冊」の基本方針で空いた枠には新規採用作家を大量に入れるのではなく(ちなみに、今年の新規採用数と交代数はほぼ同じ)、90年代までの「常連」作家を復活する傾向がみられます。これは「100冊」の新たな読者層として、青少年層や若い女性層に加え、今後定年退職によって新たに加わる可能性の高い"団塊の世代"層もターゲットにしようとする方針のあらわれなのでしょうか?(個人的に今年の選定で特に関心があるのは、「ブランコ」のタイトルのついた作品が同時に2作(いしいしんじ星新一)も採用されたことです。星新一氏は100冊の「常連」ですが、今年採用された作品は過去にないものなのでこの2作の採用は偶然とはいえない気がします。)
(文中敬称略)(2005.7.7)

新聞広告・パンフレット表紙の変遷
キャッチフレーズ・キャラクターの変遷
キャンペーン・プレゼント等の変遷
採用作品の変遷
コメント 参考資料・註
旧稿(1998), 1999, 2000-2001, 2002-2004, 2005, 2006, 2007, 2008, 2009, 2010
2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 20162017, 2018, 2019, 2020, 2021, 2022, 2023, 2024
*
←冒頭ページに戻る
↑トップページに戻る