ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - *
* Set up | 2008/4/1 |
* Updated | 2024/10/6 |
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ヒマラヤ - 7000m以上の山々 - |
東部カラコルム (Eastern Karakorum)
東部カラコルムはカラコルムの東側部分を構成する領域であり、ヌブラ川〜シアチェン氷河〜ウルドク氷河を結ぶラインが中部カラコルムとの境界とされる。 7000m以上の山は下記の山群中に存在する*1。 |
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東部カラコルムは、第二次世界大戦以前にはサセール山群に少数の登山隊が入っただけで、他の山群は地理的にも未知の地域として登山よりも探検の対象とされていた。インド・パキスタン独立(1947)後は、第1次印・パ戦争(1947-49)の結果この地域に引かれた停戦ラインによって、「サセール山群、クムダン山群=インド」、「リモ山群、シアチェン山群=パキスタン」という勢力図式が成立した。インド勢力下のサセール山群には1950年代後半からインド隊の入山が始まり、1973年にはサセール・カンリ I が登られている。シアチェン山群については、1975年から1980年代半ばにはパキスタン側から外国登山隊(おもに日本隊)の入山が許可され、主要な7000m峰は登られた。クムダン山群とリモ山群は停戦ラインに近接することもあって、1980年代半ばまでは登山隊の入山がほとんど不可能だった。 1980年代以降になると、インド軍が停戦ラインを超えて北上を開始*2し、リモ山群、シアチェン山群はインド勢力下に入った。それに伴い、サセール山群、クムダン山群、リモ山群は1980年代後半からはインド隊との合同形式なら外国登山隊の入山が可能となり、これらの山群に残された7000m級の未踏峰は1990年代始めまでに大半が登られた。インド、パキスタン両軍の衝突地帯に近いシアチェン山群については、現在ではインド隊以外の入山はほとんど不可能な状態となっている(1996年現在)*2。 |
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Mountains of Eastern Karakorum | |||
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* | 1 | : Saser Group | |
SK: | Saser Kangri I (7672m) | ||
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2 | : Kumdan Group | ||
MK: | Mamostong Kangri I (7516m) | ||
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3 | : Rimo Group | ||
RI: | Rimo I (7385m) | ||
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4 | : Siachen Group | ||
TK: | Teram Kangri I (7464m) | ||
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○概念図 (Maps)
・SSAF90m
・USSR-1/50-I-43-Б-86m
・Mehta & Kapadia 90, p152-153 (同じ図がMehta & Kapadia 98, p156-157にあり)
・Leomann Maps92m, 2000m
・TPC-1/50-G-7D-95m
・尾形2015, p15
○参考文献 (References)
・薬師・雁部96, p379-380
・宮森・雁部2001
・Kapadia & Saunders 2001, p17
・日本ヒマラヤ協会85, p41-43・・・東部カラコルムの入山事情の変遷がまとめられている
・Kapadia99a, b・・・東部カラコルムの入山事情の変遷を略述
・ヒマラヤ No. 309 (97-8), p12-13・・・東部カラコルムの停戦ラインと現境界線(支配線)についての解説
・Mehta & Kapadia 98, p155-173
・Mehta & Kapadia 90, p154-165
・高木80
・山岳年鑑85, p156-15、 山岳年鑑86, p191, p197、山岳年鑑87, p186, p192、山岳年鑑88, p183, p189、山岳年鑑89,
p199、山岳年鑑90, p197、山岳年鑑93, p89, p104、山岳年鑑94, p95, p115 ・・・東部カラコルムの各年度における入山事情を紹介
・Kapadia2004・・・シアチェン氷河上に展開するインド軍について言及
・尾形2015
・日本山岳会東海支部2015, p21-22
・日本山岳会東海支部2021, p20-21
・Tokai Section of The JAC 2022, p18-19
・ウィルキンソン・リチャーズ2021・・・シアチェン氷河をめぐるインド・パキスタンの紛争について経緯と現状を取材
*1: | 従来のカラコルムの区分では、マモストン・カンリのグループ(クムダン山群)をリモ山群に含めて扱っている(SSAF90m、吉沢78)。 しかしクムダン山群とリモ山群はお互いの主要ピークが約30kmも離れ、アプローチのルート等も異なるため、このWeb Siteでは両山群を分けて扱うことにした。 |
*2: | アメリカ Defense Mapping Agencyが作成した地図上のインド・パキスタン間の「管理ライン(Line of Control)」の誤表示がインド軍北上の原因といわれる(多谷2016,
p102-103、https://en.wikipedia.org/wiki/Siachen_conflict [2023/10閲覧]) [2024. 10追記] シアチェン氷河をめぐるインド・パキスタンの紛争については「ナショナル・ジオグラフィック」2021年3月号にその経緯と現状を取材した特集記事がある(ウィルキンソン・リチャーズ2021)。「ナショナル・ジオグラフィック(日本版)」2021年3月号, p94-97に掲載されたシアチェン氷河周辺のイラスト鳥瞰図によると、現在のインド・パキスタンの実質的な境界線はサルトロ山群の主要ピーク付近(Gyong Kangri〜Gyong La (5685m)〜Chumik (6754m)〜K12 (7428m)〜[*Bilafond La (5450m)はインド勢力下]〜Saltoro Kangri(7741m)〜Sherpi Kangri(7380m)〜Ghent (7401m)〜[*Sia La (5578m)はインド勢力下]〜Sia Kangri(7422m))だという。 |
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