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GR Digital II + Kenko PRO1D R72 -> 赤外写真?(その2)
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 その1で検討してからも、GR Digital II (無改造) に Kenko PRO1D R72 を取り付けたデジタル赤外写真の撮影を続けている。
 撮影した写真がある程度の数になったので以下に紹介する。

*樹木
 いろいろな樹木を撮影し、フォトレタッチで
(空を青く、緑が白くなるように) 色変換すると、満開の桜のようにみえるもの ( 2-1, 2-3, 2-5, 2-6 )、厳冬の世界を感じさせるもの ( 2-4 )、湧き上がる雲のようにみえるもの ( 2-9 ) など、樹種によってさまざまな表現となった。また、冬になって落葉した樹木を撮影すると、幹や枝先が白く輝く ( 2-11, 2-12, 2-13 ) こともわかった。
----->>> Photo 2-1, 2-2, 2-3, 2-4, 2-5, 2-6, 2-7, 2-8, 2-9, 2-10, 2-11, 2-12, 2-13

*山腹
 麓から山を撮影すると、白い輪郭の樹木で敷き詰められたように山腹を写すことができた。
----->>> Photo 2-14, 2-15, 2-16, 2-17

*山からの展望
 山に登って展望写真を撮ると、可視光による通常の撮影に比べて山襞の凸凹が強調され、遠方のかすんだ風景も多少くっきりと写すことができるような気がする。『展望の山旅』 (藤本一美/田代 博, 実業之日本社, 1987) に収録された緻密な赤外線パノラマ写真
(撮影:平野武利氏) には遠く及ばないが、上記の本を読んだ当時は機材等の面でまったく手を出せなかった赤外線写真による展望を、自分のデジタルカメラでも写せるようになったのはうれしい。
 その後、平野武利氏の写真集 「山頂にて
- 中央沿線・山からのパノラマ」 山と溪谷社 (1993)を手に入れた。掲載された写真は、すべて自作のフィルムカメラを使って撮影された赤外線写真で、空と稜線がはっきり分かれた緻密なパノラマ展望写真がたくさん収録されていてすばらしい。 [2011.3.2 追記]

----->>> Photo 2-18, 2-19, 2-20, 2-21, 2-22, 2-23, 2-24, 2-25

*川の流れ
 赤外線写真では川面は暗く映るが、流れの乱れた箇所は白くなる。そのようなところを私のカメラ条件 ( 4 sec, F9, ISO 80 ) で撮影してみると、北斎の浮世絵を思わせる誇張した流れが表現された。
----->>> Photo 2-26, 2-27, 2-28, 2-29, 2-30

*850nmの IR フィルター
 Amazon から購入した ROWA の IRフィルターは、Kenko PRO1D R72 よりも赤外域に特化
( 850nm以下の波長領域をカット ) し、その分フィルターを透過する光量も減るため、R72 の時よりもシャッタースピードを長くして撮影を行った ( 撮影条件: 15 sec, F9, ISO 80 )。R72 で撮影した時のようなフォトレタッチによる色変換のテクニックは、このフィルターを使う際には役立たないので、レタッチはセピア調への変換のみを行った。レタッチ後の写真は R72 の時ほど意外性はないが、建物等のエッジがシャープにみえる効果は感じられる。
----->>> Photo 2-31, 2-32, 2-33, 2-34, 2-35

*GR Digital III について
 GR Digital II の後継機 GR Digital III (無改造) でも Kenko PRO1D R72 をつけて同じように撮影を試みた。 GR Digital III での撮影枚数が少なく、II と同条件で厳密な比較をしていないのではっきりしたことは言えないが、III を少し試してみた自分の経験では、II の条件
(4 sec, F9, ISO 80)よりもシャッタースピードを長めにする必要があり(自分の場合、III では 10 sec, F9, ISO 64 の条件で上記 II と同程度の明るさになった・・・)、さらに III の方が II よりも "Hot Spot" が目立つ (空が青くなるようにフォトレタッチで色変換すると写真中央部が赤っぽくなる) 傾向がみられた(ノイズについては III の方が明らかに少なくなった)

*参考図書
 
『 カメラ・ライフ Vol. 8 』 (玄光社MOOK, 2011)
  無改造のデジカメに IR フィルターをつけた条件でデジタル赤外線写真を撮影する際の注意点やフォトレタッチの手法について、澤村 徹 氏によるポイントをとらえた特集記事が掲載されている。
 (2011.2.1 記)
Photo by Y. Yamauti (2011)

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2-2 2-3
2-1 2-4 2-5 2-6 2-7

2-10
 2-8  2-9  2-11  2-12 2-13

2-14  2-15  2-16  2-17  

2-19 2-20 2-21 2-22
2-18  2-23  2-24  2-25  

 2-26  2-27  2-28  2-29  2-30

2-32 2-33 2-34 2-35
2-31  

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