図書室

No.1
●註
* *1: ヒマラヤ東部地域をフィールドとしたプラントハンターとしては、キングドン・ウォード、ラッドロウ、シェリフの名が知られている。彼らの採集活動については、中尾佐助氏「花と木の文化史」(岩波新書、1986年、現在はなぜか品切れ)の中で簡潔に触れられている。なお、白幡洋三郎氏の「プラントハンター」(講談社選書メチエ、1994年)は19世紀までのプラントハンターの歴史を知る上では役に立つが、20世紀に入ってヒマラヤ地域で活躍したプラントハンターについてはほとんど記されていない。

*2: 深田久弥氏については、「日本百名山」の著者として今では広く知られるようになったが、少なくとも1980年代半ば頃まではヒマラヤや中央アジアの研究家としての知名度の方が大きかったような気がする。「ヒマラヤの高峰」は深田氏のヒマラヤ研究の集大成であり、雪華社、白水社、朝日新聞社からそれぞれ刊行されているが、私が読んだのは1973年に刊行された白水社版(収録された山の数や地図、参考文献の記載から、これが決定版といってよい。ただし現在はすべて絶版)。

*3: 中尾佐助氏の「秘境ブータン」については、毎日新聞社版(1959年刊)と現代教養文庫版(1971年刊)があるが、現在どちらも絶版。私が読んだ現代教養文庫版については、今では古本屋でも見かけなくなってしまった。両書の巻頭には著者がブータン・チベット境界のムナカ・チュウ峠から撮影したクーラ・カンリ(7538m)の姿が掲載されているが、現在でも同じ地点から撮影した日本人の写真がなく貴重である。

*4: キングドン・ウォードの著書著(単行本)については、「東チベットの植物探検家 フランシス(フランク)キングドンウォード」(金子民雄、小林書店、1994年、非売品らしいが私は本屋で入手した)に解題がまとめられている。それによると、キングドン・ウォードの著作はすべてが東部ヒマラヤの探検記というわけではなく、世界情勢を解説したような時事的なものもあるという。

*5: 例えば、「GEO」1998年6月号(ヒマラヤ特集)や「ヒマラヤの花」(吉田外司夫、平凡社、1994年)「ブータンの花」(中尾佐助・西岡京治、朝日新聞社、1984年、絶版)に収録されている。キングドン・ウォード「青いケシの国」巻頭写真もそうだが、これらの本に掲載されている青いケシは写真を見る限り、ほとんどがメコノプシス・ホリデュラのように見える。

*6: ナムチャ・バルワやギャラ・ペリがそびえるヤルツァンポ河大屈曲部を探検したベイリイの記録は「ヒマラヤの謎の河 (ヒマラヤ名著全集1)」(諏訪多栄蔵・松月久左 訳、あかね書房、1968年、絶版)として刊行されている。ベイリイの生涯を記したものとしては「国境のかなた −大探検家ベイリーの生涯−」(アーサー・スウィンソン著、松月久左訳、白水社、絶版)がある(この本は、ベイリーの波乱に富む活躍を描いていておもしろかった)。なお、ヤルツァンポ河大屈曲部については、現在では中国から詳細で美しい地図が発行されており、日本でも入手可能である[蘭州氷河研究所”南迦巴瓦”(1:100,000)(1997?)]。

*7: インターネットの次のURLから検索を行った。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/


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